やっと少し落ち着いてきた。
事態が好転したわけじゃないんだけど、ね。


「妻として…」という気持ちは、封印したつもりだった。
私みたいに情に脆い人間が、
まともに事を運ぼうと思えばそうするしかなかったから。
組織がここまで崩れようとしている以上、
私が毅然とした対応を取れなければ本当に瓦解してしまうかもしれないから。


見事にもくろみは失敗した。
さすがに彼に気付かれることはなかったが、
先輩にも気付かれたし、姉にも気付かれた。
というより、真っ先に姉には見破られた。


…いい子で羨ましいとか何度も言われたけど、
こんな揺れてる私を見破ってくれたのはすごいと思う。
すごいお姉ちゃんを持って良かったなって思える。


が、正直、それが原因で、ガタガタな精神状態なのが今の私だったりする。
…本音を言ったら逃げ出したい。


けど、そんなことをしたら、苦しめてるワンドにも余計に辛い思いをさせるし、
私自身も立ち直れなくなると思う。


それに、処遇の方向性も決定した。


あとは、私がちゃんと気持ちを伝えること。
ごめんなさいって言うこと。
怒られること。
その勇気を持とう。


明日こそ、涙の中にほんの少しの笑顔が生まれるように。